見積もるのは品物だけじゃない!アクロス中西の見積もり論。

もう25年以上前に成るでしょうかね?

刻銘に覚えている仕事で教わった今でも実践している事。
「見積」でしょう。

その頃の見積は今の様にシステム化されていなくて、言い換えれば時価だった時代でした。

不明瞭で不鮮明。全く以ての闇の値段。印刷屋が一番儲けた時期で有ろうかなと?

名刺にアルファベットの文字があると言うだけで簡単に値を吊り上げる事が出来たりしていたのです。
また、それが通るという不思議で甘くて、美味しい時代でもありました。

カラーで項数の見積が出来ると言うそれだけで、結構周囲の業者からも重宝されたものだったのです。
印刷物の計算は「台数計算」と言う、営業マンにとっては顧客を下に見れる、要するに最もらしい誤魔化し表現が存在します。
実際は職人同士の言い合わせの表現で、巧みにその表現を利用できていただけですがね。

相手も内容を納得するのは面倒臭いから提示値段で妥協するんですよこれが。
当たり前の様にそれが 0(ゼロ)地点と成ってどんどん値が釣り上がったりして。それが続くと、いつしかその相手は仕事を出してくれなくなるんです。

ピタッと。

今なら何の不思議もない、高いから安い所へ流れただけの話なのですが、
それでも印刷の仕事は降って湧いてた時代、そんな些細な事と気にもしなかったですね。
当然の話、大きな仕事と顧客にはそれなりに力を入れ相手にとって「良い値段」で受注しているから
利幅は下がって来るし、顧客数は減ってくるわで。
焦ります。

そんな中、上司のラインは利幅も顧客数もが下がる事はなかったんですよね。むしろ増え続けていたんです。
何故?この差は何? 尋ねて見ると
「やっと気付いた?お前の見積は心が無いから」との返答でした。

アホかこの親父は?
すると続けて

「原価並べて上乗せするだけの見積なら何処の誰でも出来るんだからね!」

全く意味が分からなかったんです。原価をって何言ってンだ?この人は???

「客からアレ・コレ・ソレと明確なの指示の有るモノ以外は受け付けなくなったでしょ?相場と原価が解れば並べたら済むだけの見積しか。
タダの流れ作業なんだから当然利益乗せられないでしょ?出来上がった品物も誰に何に向けて?でなく、発注者しか見てないでしょ?
僕はねぇ、作る前段階から入ってるんだよ、そんな見積と一緒くたにするなよ。姿勢から出直せよ」と。

延々半日その日は夜中まで指導されましたね。忘れもしません、忘れられません。

掻い摘まむとその指導の内容は精神論で誰の目にも見えないモノですが、とても熱かったんですよね。
誠意を持って臨む、経験を相手に伝えて導いての姿勢が。
この私が聞き入っちゃいました。過去を振り返っても、あんなに真剣に人の話を聞いたのは数える程かと思えるくらい。

「何に使うの?どう使うの?じゃぁ、こうしたら?此処、こうしたら良いよ!」と、煙たがられようが、その上司の「自分なら」を実践してきてます。
途中、疎ましがられるのが嫌でそれを放棄したりしてた時期もありますけど。その時は挫け掛けましたね。

で、結果ですか?
それは一度私と膝を交えて、思い出に残る見積してみましょうよ。
出来れば、どうしようも無く困った時は威力倍増ですよ。
その時は是非、名指しでお願い致しますね!電話でも全然構いません。

色んな意味で、誰にも負けませんから(笑